9Dobさんの自由気まま文書

書きたいことをただ書いてます。

超合理的高校生の3年間 -社会の歯車が高校生に転生!?-

【第10話 友坂という女】

 

ーーー放課後ーーー

友坂が俺の方に来た。

「ね。言ったでしょ。心配ないって。」

得意げにそう言い放つ。

「でもなんで、あんな説明で良かったんだ?」

俺はついさっきの出来事が不思議でたまらなかった。

「私は『あえて』知らないふりしてるけど、ゆきりんクラブってものがあるらしいわ。だから、私が何か言えば、なんでも思い通りになるってこと。」

「…え?」

俺はまたしても頭を抱えた。ファンクラブ???

「ちなみにファンクラブって、クラス内での話だよね…」

「いや、全学年らしいわ」

「嘘だろ…」

まだ入学して半年も経ってないのに!?

いや確かに、俺が友坂と話してるとき、妙に視線が来るとは思っていたが…

そういえば、いつかファミレスで友坂とコンセプトの話をした時も、同じ制服を着たグループにがん飛ばされてたような…

「なんでそんな人気なんだ。いたって、普通じゃないか。」

「私もよくわからないんだけど、なんか自分に都合がいいから考えないようにしてるわ」

と友坂は笑いながらそう返す。

 

…!?また視線を感じる。

「田所のやつ、ゆきりんと気安く話しやがって、自分の身の丈わかってんのか。」

「由紀子様、この前田所とファミレス行ってたらしいわよ。親衛隊がそういってたらしいわ。」

「親衛隊は何もしなかったの?」

 

…聞こえてるっつーの。

でも、確かに友坂の言う通り、友坂への人気なのか、信仰なのかはわからないが、

クラスメートを掌握する力があるということはわかった。

もし、彼女の言う通り、対象範囲が全学年なのであれば、

お化け屋敷のプレゼンも彼女が出た方がよかったのではないか…?

「あのさ、友坂さん。よかったらなんだけど、プレゼン当日も一緒にやらないか?」

「もちろん、そのつもりよ。田所君に任せて、万が一でも落選したら、私のコンセプトが水の泡になっちゃうでしょ!」

「はい、おっしゃる通りです。」

やっぱりこの女、敵に回すのはマズイな。

 

「あ、でも…」

友坂が曇った表情を浮かべた。

「でも?」

「でも、私の思い通りにしてくれるのは、あくまでも西高の生徒だけなのよね。どうしても、先生とかには効かないみたいなの。」

「まあ、あんな説明で教師陣が納得するなんて、思ってないけどな。」

「はあ?田所君もそっち側なのね。」

「そっち側ってなんだよ。」

「私の思い通りにならない側のことよ。とはいっても生徒で、そっち側についたのは田所君で2人目かな」

「…え、それって、俺以外にもう1人いるってこと?」

「確かではないんだけどね。1個上の先輩で『氷の女帝』の異名を持つ、新藤美琴(しんどう・みこと)先輩。この人もなびかなかったわ。」

「『氷の女帝』?ってどいうこと?」

「なんでそう呼ばれているか。私にはわからないわ。まあ、そんなことより、プレゼン。少なくとも、私だけの力じゃ無理だわ。」

「プレゼンなら、そここそ、俺に任せてよ。」

今度は俺が友坂に不敵な笑みを返してやった。

 

===To Be continuity===