9Dobさんの自由気まま文書

書きたいことをただ書いてます。

超合理的高校生の3年間 -社会の歯車が高校生に転生!?-

【第2話 転生なのか!?】

 

「田所さん、検温のお時間です。」

そう看護師に言われ、差し出された体温計をわきの下に入れ、

今までのことを振り返る。

 

昨日までは会社員として働いていたのに、どういうわけかこの高校生「田所正光」になっていた。これってもしかして、今話題の「転生」!?

いや、せめて異世界にしてほしかった。

日付見たら社会人だったころの1週間後に転生って、早すぎない?

世間の情勢も変わってないし、すぐ戻りすぎなのでは??

 

とはいえ、転生したものはしょうがない。抱えていたタスクもなくなったわけだし、

のんびりベッドの上で過ごそうかね。昨夜は疲れたし…

 

 

ーーー昨夜午後7時(転生2時間後)ーーー

 

「正光っ!!」

と勢いよく、50代前半ぐらいの夫婦らしき男女がこの部屋に入ってきた。

「田所さん、ここは病院です。お気持ちはわかりますが、もう少し静かにしてください。」と先生がその男女に注意した。

 

…もしかして、この子の両親か?

「正光、良かった!目覚まして!」

大粒の涙を流す、この女性はやはりこの田所正光の母である。田所優子。

隣で安堵の表情を浮かべ、こちらの様子を伺っているのが父、田所浩である。

これらの情報はこの1時間後に知ることになるのだが。

 

「田所さん、ホントに良かったですね。」

と看護師さんまで、うっすら涙ぐんできた…

…マズイ、非常にマズイ。この感動的なムードをぶち壊しかねない状況に今、立たされている。社会の歯車として今まで生きてきたこの俺に!

下げたくない頭をたくさんしてきた俺なのに!

経験したことのない気まずさが来るなんて…

お二人には申し訳ないが、致し方ない。

 

「…あ、あの……私、目覚ましてから今までの記憶が一切ないみたいで…自分の名前とか年齢とかも…」

周りの人たちの愕然とした表情は、言葉に表せないなんとも言えない表情だった。

優子はまた大粒の涙を流し、浩は優子の肩をさすりながら

「記憶なんてまた作れば良いじゃないか。生きてるだけまだマシだ。」と励ます。

 

いや…ほんとスミマセン。

そして、俺は優子と浩に「田所正光」について聞いた。

生年月日から出生地、どんな子だったのか。

そして、なぜこの病室に運ばれてきたのかを。

 

===To Be continuity===