9Dobさんの自由気まま文書

書きたいことをただ書いてます。

超合理的高校生の3年間 -社会の歯車が高校生に転生!?-

【第8話 やまとなでしこの裏の顔】

 

ーーーある日の登校時ーーー

「…あの田所君、ちょっと良い?」

髪の長い、いかにも真面目って感じの女子が声をかけてきた。それもそのはず、彼女はクラスメイトであり、保健委員を務める友坂由紀子(ともさか・ゆきこ)である。

彼女の持つやまとなでしこ的上品さに心奪われ、陰で「ゆきりん」と呼ぶクラスメイトもいる。

「友坂さん、どうしたんですか。」

「この前もらったプリント。」

「ああ、お化け屋敷のコンセプトのやつですか。」

「読ませてもらって、私も考えたんだけど。これどうかな。」

友坂はそう言い、一冊のノートを手渡した。

「これは…」

「私、昔から遊園地が大好きで、毎週家族と出かけてたの。そしたら、自分だったらこんな設定にするのに、こんなキャラクターいたらいいのにって、ずっと思ってたの。」

「…なるほど。それを具現化するチャンスが来たってことね。」

「そう!ぜひ感想聞かせてほしいな。」

「俺の感想いるのかな?あくまでも案として受け取っておくよ。」

「いや、それじゃダメなの。」

「え?それじゃダメってどういうことなの」

「あなたのプリントに書かれてたコンセプト案のすべてを読んだわ。そして驚かされた、代表者に選ばれてから、あんな短期間であの数の案。そしてそのどれもが、ストーリー、キャラクターがきちんと設定されていたわ。私がこのノートに書き溜めたようにね!」

「あーあれは、たまたまだよ。たまたま読んでた本を参考にしたまでよ。」

「たまたまですって、いやどちらにせよあなたのせいで、私の心に火が付いたの。あなたに認めてもらうコンセプトを考えたいって。だから、あなたの感想が必要なの!」

ものすごい剣幕で友坂が詰め寄る。

「わかった、わかったから、休み時間とかに確認するよ。じゃあ。」

あの友坂がここまで熱量持って接してくるとは…

あまりの勢いに押され、俺は根負けし、感想を述べると約束してしまった。

 

ーーー4時間目(化学)ーーー

…化学ねぇ…現役時代にゴロ合わせいっぱい覚えてしまったせいで、このレベルなら、まだ真剣に授業聞かなくても大体いけるな…

てか、退屈だな…

あ、そういえば友坂から借りたノートでも確認してみるか。昼休みまでに確認しとかないと怒られるだろうし………

ノートなら、サボってんのバレないだろうしな。

…!!

 

ーーー昼休みーーー

「友坂さん、これありがとう。」

俺はそう言い、友坂に借りたノートを返した。

「…うそ、田所のやつ、友坂さんと話してる。」

「え…ゆきりん様と??」

俺の一つ一つの行動にざわつくクラスメートを後目に、友坂は俺に向かって一言

「早速だけど、感想を聞かせて?」

「ああ…よかったよ。」

「どこが?どの辺が?キャラクター?設定??」

「…あぁ、全部良かったよ。あのしっかりディテールも凝ってて。」

「もっと細かく!具体的に!感想聞かせて?」

友坂が声を大きくし、俺に詰め寄る。

クラスメイトの視線も痛いし、何より友坂のこの熱量が怖い。

一旦、場所を移そう、ちゃんと整理して話すからと俺は友坂に、

放課後に近くのファミレスで話をするよう持ち掛けた。

「わかったわ。適当な感想なんて述べたら、ぶっ飛ばすから。」

普段の友坂から想像できない言葉が飛んできた。

 

…さぁって、なんて説明しようかね…

 

===To Be continuity===